「保険の見直しが必要って本当?」「見直しに適したタイミングがあれば教えてほしい」などと考えていませんか。加入後、一度も見直しを行っていない方も多いかもしれません。「結論から述べると、保険は定期的に見直すことが重要です。この作業を怠ると、いざという時に必要な保障が受けられなくなる可能性があります。
この記事では、保険の見直しに適したタイミングを紹介するとともに、保険を見直すメリットや見直し時に確認したいポイントなどを解説しています。将来のリスクに備えたい方は、ぜひ参考にしてください。
保険は、定期的な見直しを必要とします。ライフステージに応じて、必要な保障は変わるためです。ライフステージとは、特定の出来事によって人生を区切る節目のことを指します。具体的には、以下の分け方などがあります。
例えば、家族がいない独身期と結婚して子どもが生まれた育児期では、保障のニーズが変わるでしょう。生命保険の保険金を増額したり、学資保険に加入したりすることが考えられます。また、転職や退職などにより収入が減少した場合、保険料を抑える必要が出てくることがあります。
必要な保障を受けるため、保険料を最適化するため、定期的な保険の見直しが求められるのです。
保険を見直すことには、多くのメリットがあります。代表的なメリットは以下の通りです。
見直しを行うことで、現時点で必要と考えられる保障内容に変更できます。保障を手厚くするだけでなく、不要になった保障をカットできる点がポイントです。そのため、保険を見直すことで保険料を抑えることが可能です。
保険を見直す基本的なタイミングは、ライフステージが変化したときとされています。参考に、具体例を紹介します。
例えば、「会社を辞めて独立した場合、年金は原則として国民年金のみとなります。「老後資金に不安を感じる場合は、生命保険などの保障内容を見直すことが重要です。
「保険料の負担が重いと感じる場合も、保険を見直すタイミングといえます。ライフステージの変化に伴う支出の増大、収入の減少などで、保険料を支払えなくなることがあります。保険の見直しで、経済的な負担の軽減を目指せます。
定期保険の更新時期も、見直しを進めたいタイミングと考えられています。更新時の年齢にあわせて保険料が高くなるうえ、前回の契約時からライフステージも変わっていることが多いためです。これらのタイミングを逃さないことが大切です。
続いて、年代別に保険見直しのポイントを紹介します。
初婚のうち、婚姻件数が最も多かった年齢は、男性が27歳、女性が26歳です(2020年のデータ)。20代は結婚する方が多い年代と考えられるでしょう。独身時代に必要な保障としては、自分の葬儀代やお墓代程度が挙げられるでしょう。
結婚すると、もしものときに配偶者が困らない保障を備える必要があります。具体的には、入院したときの治療費、遺された配偶者の生活費などが考えられるでしょう。そのため、保障が不足している場合には、保険の見直しが求められます。
必要な保障内容は、夫婦の収入やライフプランによって異なります。まずは、専門家に相談するとよいでしょう。
出典:男女共同参画局「平均値と最頻値考察~「平均初婚年齢」と「初婚年齢の最頻値」の間には3歳から4歳の差~」
令和4年における第一子出生時の母の平均年齢は30.9歳です。30代は、子どもを授かる方が多い年代といえるでしょう。子どもができると、死亡保障の増額を検討する必要があります。主な稼ぎ手の万が一に備えるためです。
一定の条件を満たせば、遺族年金を受け取れますが、これだけで生活費や教育費を全て賄うことは難しいでしょう。したがって、夫婦の働き方にあわせた保険の見直しが必要です。
併せて検討しておきたいポイントとして教育費があげられます。幼稚園から大学まで国公立に通った場合の教育費は800万円、すべて私立に通った場合の教育費は2200万円です。計画的な貯蓄が苦手な方は、学資保険などへの加入を検討しておく必要があります。
学資保険は、子どもの成長に応じて学資金を受け取れる仕組みの保険です。特約を付帯することで、死亡時などに保険料の支払いが免除されます。
出典:厚生労働省「結果の概要」
出典:文部科学省「平成21年度文部科学省白書」
注文住宅を初めて取得した世帯主の平均年齢は40.1歳です。40代は、住宅を購入する方が多い年代といえるでしょう。団体信用生命保険に加入せず住宅ローンを組んだ場合は、保険を見直すことが求められる場合があります。
万が一の際に、保障を受けられない可能性があるためです。もしもに備えて、死亡保障を手厚くしておく必要があります。また、特約を付帯せず団体信用生命保険に加入している方も見直しが勧められます。死亡、高度障害状態以外で働けなくなったときに、保障を受けられないためです。「就業不能保険などへの加入を検討することが大切です。
団体信用生命保険と他の保険の保障内容が重複していないか確認することも重要です。
50代で遭遇しやすいライフイベントとして子どもの独立があげられます。30代で授かった子どもは、50代で20代になります。独立に適した年頃といえるでしょう。子どもが独立すると、子どものために備えていた保障は原則として不要になります。したがって、見直しで保険料の削減を期待できます。
削減した保険料を活用し、民間の医療保険や介護保険に加入して老後に備えることが考えられます。ただし、健康状態によっては、希望する保険に加入できなかったり、保険料が割高になったりすることがあります。
不安を感じる方は、保険見直しのアドバイザーに相談するとよいでしょう。あるいは、削減した保険料を投資に回し、老後資金を蓄える方法も選択肢の一つです。
60代は、多くの方が定年退職を迎える年代です。定年後は、現役時代に蓄えた老後資金と年金で生計を維持していくケースが多いでしょう。そのため、保障の無駄をなくし、保険料を抑えることが重要です。
例えば、老後資金の準備を目的とする保障は原則として必要ありません。子どもの教育費、遺族の生活費を目的とする保障も見直しを進められるケースが多いでしょう。一方で、年齢を重ねると医療と介護のニーズは増大します。「リスクに応じた保障内容の見直しや保険の加入を検討しておくと安心できます。
続いて、ライフステージに応じた見直しのポイントを解説します。
保険を見直したい最初のタイミングとして、社会人になったときがあげられます。就職直後は、収入、貯蓄とも少ないため、病気やケガで働けなくなったときに備えて、医療保険に加入しておくと安心です。
若い時期に終身型医療保険に加入することで、毎月の保険料を安く抑えることができます。また、定期型医療保険に加入し、更新のタイミングで保障内容を見直す方法もあります。ちなみに、民保加入世帯(かんぽ生命を除く)における医療保険・医療特約の世帯加入率は95.1%です。多くの方が、病気やケガのリスクに備えています。
出典:生命保険文化センター「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査(速報版)」
結婚すると、家族が増えます。万が一の際に、遺された家族が困らないよう、生命保険への加入や保険金の増額といった準備を進めることが重要です。必要保障額は、以下の方法などで求められます。
必要保障額=支出見込額-収入見込額支出見込額は「末子独立までの遺族の生活費」「末子独立後の配偶者の生活費」「その他の必要資金」の合計、収入見込額は「公的保障」「企業保障」「自己資産」「その他収入」の合計です。詳しくは、この後の「保障金額の見直し」で解説しています。
子どもが生まれると、家族がさらに増えます。万が一に備えて、保障を充実させておく必要があります。生活費に加えて、子どもの教育費を考えなければならない点がポイントです。なお、大学卒業までにかかる教育費の目安は800万円から2200万円程度とされています。具体的な対策としては、定期保険を活用して保障を上乗せする方法が考えられます。
満期を末子の大学卒業に合わせておくと、保障に無駄が生じません。また、学資保険の活用を検討することもできます。学資保険の魅力は、進学などのタイミングで学資金を受け取れることと万が一のときに保険料の払い込みを免除されることです。ただし、早期に解約すると元本割れとなる可能性があります。
マイホームを取得したときも、保険の見直しが勧められます。「多くの住宅ローンでは、団体信用生命保険への加入が必須とされています。団体信用生命保険は、契約者が死亡したときや高度障害状態になったときに、ローンの残債が保障される保険です。
したがって、同保険に加入している場合は、生命保険の保険金を住居費分だけ減額できる可能性があります。一方で、同保険に加入していない場合は、もしもに備えて死亡保障の充実や就業不能保険への加入を検討しておかなければなりません。
親を扶養することになったときも、保険を見直したいタイミングです。親を扶養すると、生活費、医療費、介護費など、さまざまな費用がかかります。「万が一の際にこれらの費用を捻出できるよう、保障内容を充実させることが重要です。
具体的な対策として、定期保険の活用などが考えられます。保険金の受取人を親にしておくとよいかもしれません。
子どもが独立したときも、保険の見直しを行いましょう。子どもにかかっていた生活費、教育費などが不要になるためです。支出見込額が減ることから、保障額を削減することが検討できます。主なメリットは、保険料の負担を軽くできることです。削減した保険料を活用し、老後の備えを充実させることが考えられます。
具体的には、医療保険、介護保険への加入などが考えられます。活用方法も、保険見直しのアドバイザーに相談できることが少なくありません。ライフプランにあわせて活用方法を検討することが推奨されます。
定年後に向けた保険の見直しも行っておく必要があります。長寿リスクに備えるためです。長寿リスクとは、長生きによって老後資金が枯渇し、困窮する可能性を指します。見直しのポイントは、無駄な保障をなくして、保険料を抑えることです。住宅ローンを完済している場合や子どもが独立している場合は、現役時代よりも保障額を減らせる可能性があります。
定年後の生活や準備している老後資金にあわせて保障を見直すことが大切です。遺族に保険金を残したい場合は、終身保険への加入を検討しましょう。定期保険は、年齢を重ねると更新できなくなることがあります。
続いて、保険見直し時に確認しておきたいポイントを紹介します。
貯蓄型保険を解約した場合、解約返戻金(かいやくへんれいきん)を受け取ることができます。解約返戻金は、保険を途中で解約したときに、保険会社から契約者へ支払われるお金です。ただし、支払った保険料が、そのまま返ってくるわけではありません。
返戻率(払込保険料に対する解約返戻金の割合)をもとに算出されるためです。返礼率は、契約時に作成する設計書などに記載されています。解約するタイミングによっては、支払った保険料より少ない金額しか戻らない場合があるため、注意が必要です。
少し前に契約した貯蓄型保険の中には、現在の保険商品に比べて利率を高く設定しているものがあります。同じ条件の保険商品を見つけることは難しいため、必要性が低い場合も解約は慎重に検討するほうがよいでしょう。判断に迷う場合は、保険見直しのアドバイザーに相談することをおすすめします。
保険商品の中には、保険金支払いの免責期間を設けているものがあります。免責期間とは、保険会社が責任を免除される期間、つまり保険の保障を受けられない期間のことを指します。免責期間を設けている代表的な保険商品としてがん保険があげられます。
一般的ながん保険の免責期間は90日(または3カ月)です。この条件であれば、保険期間の始期から90日間は保障を受けられません。なお、免責期間中も保険料の支払いが必要となります。保険を乗り換えるときなどは、免責期間もチェックしておきましょう。
生命保険、医療保険、がん保険などの加入時に、原則として被保険者の健康状態の告知を求められます。主な理由は、加入者間の公平性を保つためです。保険は、大勢の加入者で助け合う相互扶助の精神で成り立っています。
健康な方とそうではない方のリスクは異なるため、同じ保険に同じ条件で加入すると公平性を保てません。したがって、健康状態の告知を求められるのです。健康状態によっては、保険に加入できないことや保険料が割高になることがあります。
健康状態が告知や保険契約に及ぼす影響について理解しておくことが重要です。告知書が定める期間内に検査や診察、治療、投薬などを受けていた場合は、本人が病気やケガと認識していなくても、原則として告知が必要となります。
一方で、告知書が定める期間内に検査、診察、治療、投薬などの事実がある場合は、本人が病気やケガと考えていなくても、原則として告知が必要です。うっかり忘れていたなどの理由であっても、告知を怠ると保障を受けられない場合や契約が解除される可能性があります。事実をありのままに伝えることが大切です。誤りに気づいた場合は、保険会社に連絡して告知をやり直しましょう。
保険見直しで、既存の保険を解約して、新しい保険へ加入することがあります。手続きそのものは難しくありませんが、保険を解約するタイミングには十分な注意が必要です。タイミングを誤ると、保障を受けられない無保険期間が発生する可能性があります。
一例としてあげられるのが、新しい保険の免責期間を考慮せず解約したケースです。この場合は、一定期間にわたり保障を受けられません。大きなトラブルにつながる可能性があるため、新しい保険への加入と保障の開始を確認してから、既存の保険を解約することが重要です。
保険の見直しによって、ライフプランに合致した理想的な商品が見つかる場合があります。ただし、誰でも希望通りに加入できるわけではありません。
これは、加入前に審査が行われるためです。審査の方法は状況によって異なりますが、多くの場合、告知書をもとに行われます。持病がある方などは、審査に通らないことや特別な条件を設定されることがあります。これらのリスクを考慮した上で、保険の見直しを進めることが重要です。
保険会社が見込んでいる運用利回りを予定利率といいます。予定利率が上昇すれば保険料は減少し、予定利率が低下すれば保険料は増加するのが一般的です。保険を乗り換えると、予定利率も変わります。現在取り扱われている保険商品の予定利率は、過去の保険商品と比較して低く設定されている場合が多いとされています。この点を踏まえて、乗り換えの要否を判断することも大切です。
続いて、保険を見直す際に確認したい5つのポイントを解説します。
保険に加入する目的と保障内容が合致していることを確かめましょう。これらが一致していない場合、必要なタイミングで適切な保障を受けられない可能性があります。死亡のリスクに備えたい場合は生命保険、病気やケガに備えたい場合は医療保険が適していると考えられます。特約を付帯すると保障を手厚くできますが、保障内容が複雑になってしまいます。気づかない間に、保障が重複していることもあるため注意が必要です。
保障期間も、見直し時にチェックしたいポイントです。保険の種類を理解しておくと、見直しを進めやすくなります。主な種類は以下の通りです。
保険の種類 | 概要 |
---|---|
定期保険 | 保障を受けられる期間が決まっている保険。終身保険に比べて保険料は安い |
終身保険 | 生涯にわたり保障を受けられる保険。解約返礼金が多い(貯蓄性が高い) |
定期保険と終身保険に優劣はありません。目的に応じて使い分けることが重要です。「例えば、終身保険に加え、保障を手厚くしたい期間だけ定期保険に加入する方法が考えられます。
保障金額の見直しは欠かせない重要なポイントです。保障金額が過大であると、保険料の負担が重くなります。反対に、保障金額が不足している場合、リスクに十分備えられない可能性があります。必要保障額は以下の計算式で求められます。
必要保障額=支出見込額-収入見込額支出見込額、収入見込額は次の金額の合計です。
支出見込額 | 収入見込額 |
---|---|
【末子独立までの遺族の生活費】 現在の生活費(年間)×70%×末子が独立するまでの年数 |
【公的保障】 遺族年金、老齢年金など |
【末子独立後の配偶者の生活費】 現在の生活費(年間)×50%×末子が独立した時点における配偶者の平均余命 |
【企業保障】 死亡退職金など |
【その他の必要資金】 教育費、住居費、葬儀代、予備費など |
【自己資産】 預貯金、有価証券など 【その他の収入】 配偶者の収入など |
支出見込額から収入見込額を減じた金額が不足している金額、つまり必要保障額です。「なお、団体信用生命保険に加入している場合は、契約者死亡後の住居費が不要となります。
以上の3点を踏まえて、保険料を見直します。見直しのポイントは「無理なく支払えるか」です。保障内容に問題がなくても、予算を超過している場合は、保険料を継続的に支払えなくなる可能性があります。保険契約を維持できない恐れがあるため注意が必要です。保険料の負担が大きい場合は、保険金額を減額したり、特約を外したりといった調整を検討してください。重視したい点を決めておくと、調整を行いやすくなります。
保険金の受取人を確認することも重要です。契約者、被保険者、受取人がすべて異なる場合は、贈与税が課されます。契約者は保険会社と契約した人、被保険者は保険の対象、受取人は保険金を受け取る人といえるでしょう。参考に、死亡保険金の課税関係を紹介します。
契約者 | 被保険者 | 受取人 | 税金 |
---|---|---|---|
A | A | BまたはC | 相続税 | A | B | A | 所得税(一時所得)、住民税 |
A | A | B | 相続税 |
契約者と被保険者が同じであれば相続税、契約者と受取人が同じであれば所得税と住民税、契約者、被保険者、受取人がすべて異なれば贈与税を課されます。税額に影響するため、計画的に受取人を設定することが大切です。
ここでは、保険見直しのタイミングについて解説しました。ライフステージの変化に伴い、必要な保障内容も変化します。そのため、結婚、出産、マイホーム購入などの人生の節目に合わせて、保険の見直しを検討することをおすすめします。ほけん工房は、良い商品を組み合わせる保険のセレクトショップです
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